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ヒルミ・ジョハンディはシンガポールに残るアーカイブ画像や映像からモチーフを得て、舞台装置を建てるように自身のペインティングの中で組み合わせる。その手法は、コラージュから発想を得たものだ。スケール感や空間の隔てに手を加えることで作品の中に現れる複数の「面」は、時空間の歪みを示唆し、また見慣れたモチーフに新たな視点をもたらす。今回は作家のスタジオに赴き、近作と現在制作中の作品について語ってもらった。
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(オ):最近の一連のペインティング、またビデオ作品において、「劇作法」というコンセプトについて探索を続けています。これについて語っていただけますか。
(ヒ):私は、映画と劇に関するイメージがどう作られるのかについてずっと興味を持ってきました。通常、観客の目に現れるのは、スムーズで、完成された芸術の様態であり、舞台裏でそれがどう構成されてきたかは明らかにされないことが多いのです。「作られた」という感覚を可視化し、既存のナラティブを問い直す方法として、舞台芸術の技術的な側面を指す「劇作法」について考えていくようになったのです。
ヒルミ・ジョハンディの個展「Landscapes and Paradise: Poolscapes」は、2021年10月にオオタファインアーツ東京で開催されます。展覧会の詳細は、弊廊のメールニュース、SNSのアカウントで随時発表いたしますので、是非ご登録ください。
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Hilmi JohandiTennis Court, 2020Oil on linen59.2 x 74 cm
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Hilmi JohandiCity hall and the Old Supreme Court Building c. 1970, 2020Oil on linen121.7 x 152.5 cm
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Hilmi JohandiLandscapes & Paradise: Attractions and Sceneries, 2020Oil on linen55.5 x 71.5 cm
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Hilmi JohandiCrystal Chandelier, 2019Oil on linen96 x 97.5 cm
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作家略歴
ヒルミ・ジョハンディ(1987年、シンガポール生まれ)は、シンガポールにて活動中。2018年、シンガポールNational Art CouncilよりYoung Artist Award を受賞。近年の主な個展に「Painting Archives」Rumah Lukis、クアラルンプール(2019)、「Stagecraft: Landscapes and Paradise」オオタファインアーツ、シンガポール(2019)、「An Exposition」President’s Young Talents 2018 Exhibition、Singapore Art Museum 8Q @SAM、シンガポール(2018)、「Dusk to Dawn | Fajar ke Senja」OCBC Artspace Galerie Steph、シンガポール(2014)など。近年の主なグループ展に、「Progressive Disintegrations」 Objectifs Centre for Photography and Film、シンガポール(2020)、「Art Way ASEAN Way」 Art Mill Songkhla Art Center、ソンクラー、タイ(2017)、 「Echoes I, Public Art Toride」取手市(2016)、 「Figment of Film」ADMギャラリー、南洋理工大学、シンガポール(2016)、「Flux – City of Change」Strata Art、Saatchi Gallery、ロンドン(2013)など。
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