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オオタファインアーツでは6年ぶりとなる見附正康の個展を開催します。九谷焼の伝統的な赤絵細描を継承する見附は、その技巧を究極のレベルに発展させつつあります。にわかに手彩とは信じがたいほどの微細な線と点で描くのは、瓔珞文や麻の葉文といった伝統的文様ですが、それらをリズミカルに配した幾何学的な図柄は精緻かつ大胆です。その美しさには見る者を吸い込むような凄みさえ感じられます。

本展で見附は、新作を含む大皿と、”建築物”を意識して制作した三角柱形の立体作品を展示します。四角形と三角形の面で構成される立体作品は、明確な中心を持つ円形の大皿とは全く違ったアプローチで文様が描かれてゆきます。新たな取り組みの影響は大皿の図柄にも随所に見られます。伝統に立脚しながら挑戦を続ける見附の新境地を、ぜひご高覧ください。