CAMP: 嶋田美子+ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、ミン・ウォン、ウォーターメロン・シスターズ[ユ・チェンタ+ミン・ウォン]、ユキ・キハラ
オープニング・スペシャルトーク:3月15日[土]16:00-17:30
嶋田美子+ブブ・ド・ラ・マドレーヌ with 大坂紘一郎(キュレーター/ASAKUSA ディレクター)
今グループ展「CAMP」に参加するのは、社会構造に対する鋭い批評眼を煌めかせ、知性に基づくリサーチを重ねてきたアーティストたちです。既に十分なキャリアを持つかれらは、知性を上回る感性の炸裂が、アートの実践においていかに強く人々の心を動かすかも熟知しています。そのかれらに共通して見られる感覚、それがCAMP(キャンプ)です。スタイルのやりすぎた誇張、ものや人々のなかに見出せる人工性。キャンプはそういった不自然さを愛好します。クィアを自認するかれらにとって馴染み深いこの審美主義は、多様な理念のもつれが人々をがんじがらめにしてしまうこの時代にあっても、何食わぬ顔で大胆不敵な自己主張を繰り広げます。
世界は今、強国による新たな帝国主義的ふるまいにより混迷を極めています。しかし世界の不安をよそに、悲劇性を好まぬキャンプはアイロニー全開で独自の美学を貫き、混沌のなかを突き進みます。かれらアーティストたちにどうしようもなく惹かれてしまうのは、その自立したエレガントな強さに、そして誰もが持ち得ているのではないその感性に、憧れを抱かずにいられないからでしょう。ソンタグが『Notes on 'Camp'』を記してから60年を経た今も、キャンプは私たちを強く魅了します。
*各作家の展覧会参加情報は以下のとおりです。