版画展: 草間彌生
会場
オオタファインアーツ 7CHOME
106-0032 東京都港区六本木7-21-24
THE MODULE roppongi 101
開廊時間
12:00-18:00
このたび、オオタファインアーツ7CHOMEにおいて草間彌生の版画展を開催いたします。
草間彌生が1979年に制作をはじめた版画は、いまや草間芸術の一翼を担う分野となりました。この版画シリーズは、2004年頃に集中的に描かれた33点の小品絵画をもとに、2011年から2012年にかけて制作されたものです。原画となった絵画群は、のちに白地に黒いマーカーで描かれた「愛はとこしえ」、筆の先から眩い色彩を放つ「わが永遠の魂」、そしてオオタファインアーツでの展示も記憶に新しい「毎日愛について祈っている」など、近年の草間を代表するキャンバスシリーズへと発展していきました。草間の現在の作風を生み出すきっかけとなったという意味でも重要な絵画群といえます。
赤、黄、緑、青など原色が支配する画面に、目や女性の横顔、粒子状にうねる有機体が繰り返し、即興的に登場します。草間版画としてなじみ深い南瓜、帽子、蝶や、画面の隅まで描きこむ緻密さとは一見して異なる、鮮明な色彩と迷いのない描線が生み出す活力溢れるイメージは、私たちの目を強く捉えます。
33点の版画化にあたり、草間は新たな表現を求めました。重厚感や風合いのある質感の紙を選び、シルクスクリーン、エッチング、エンボス、ステンシルなど、複数の版画技法を掛け合わせた意欲作には、芸術的革新を求めて不断に努力する草間のアーティストとしての生き方が凝縮されているかのようです。