デニス・オッペンハイム:フォト・ドキュメンテーションⅡ: デニス・オッペンハイム
このたびオオタファインアーツではポスト・ミニマリズム期のアーティスト、デニス・オッペンハイムのドキュメンテーションの展覧会を開催します。
オッペンハイムは1968年よりスミッソン、ハイザー、ナウマン、アコンチらとともにミニマリズムを批判的に継承する運動としてランド・アート、ボディー・アートを生み出しました。以後、テリトリー、危険、親子の関係性などそれまで近代美術が排除してきた要素を作品に取り込みコンセプチュアル・アートの黎明期を上記の作家たちと切り開いた近年再評価が高まる作家のひとりです。
ボディー・アートおよびランド・アートは作品に保存性がないゆえに写真に収めるという形をとらざるを得ませんでした。オッペンハイムのドキュメンテーションはこれらの記録写真、地図、言葉を画面上に並列してプレゼンテーションすることにより、消滅した本作品の代替物として成立させました。その後10年を経た70年代後半、批評家のクレッグ・オーエンズが「アレゴリー」という概念をつかいこれらのドキュメンテーションの美学的な位置付けがなされ、初めて写真が美術作品として認められた経緯からも興味深い作品群です。
今回の展覧会では1968年から72年までのランド・アートとボディー・アートのドキュメンテーションを8点展示いたします。どうぞご高覧下さい。