草間彌生
1998年に開催されたニューヨーク近代美術館での個展でこれまでの活動への再評価を決定的にした草間彌生は、その再評価にとどまることなくここ数年にわたり急速に新作への積極的な評価を得るようになってきています。
2000年にフランスのアートセンターであるル・コンソルシウムで始まりデンマーク、オーストリア、韓国の美術館を4年をかけて巡回する新作インスタレーションだけで構成される個展や、先週よりスイスのベルンでオープンした建築家ジャン・ヌーベルとのコラボレーション、2004年に文化首都に指定されるフランスのリール市に設置される超大型の野外彫刻、そして本年暮からマイアミのバス美術館より立ち上がり巡回が予定される新作個展ほかグループ展やギャラリーでの個展をも列挙すれば枚挙に暇がありません。
本展覧会は、さきに述べました新作インスタレーション展にも出品され、ここ最近の代表作ともいえる複数のバルーン(ビニール製の風船)を用いた1作品のみで展示フロアを占有いたします。
網やポルカ・ドットをモチーフにした絵画やフェミニズムの観点からも評価されるソフト・スカルプチャー、感傷的なコラージュ・ピースから老いて再び進展させようとしているパフォーマンス作品など、どれもが現在のアクティヴィティーの中心でありますが、また同時にどれもがごく個人的かつトレンド的でもある草彌生の現在をどうぞご高覧下さい