SHINCHIKA - シンチカ: SHINCHIKA
ギャラリーでの初個展となる本展では新作映像「JSCO(ジャスコ)」が発表されます。 作品は、ある冬の日に田舎から都会へ引っ越していくボーイフレンドからもらった未完成のプラモデルを苦心しながら組み立てる女の子の回顧から始まり、女の子が彼の住む都会に旅をする様子が描かれますが、しだいにプロットは消滅し家やガードレール、鳥や果物など日常的に私たちを取り巻くオブジェクトが洪水のように流れ出して消費のパラノイアとでも言えるようなイメージが展開します。 ここでは制作に携わったメンバー各自の反歌の連鎖といえるような時間とイメージを読み取れます。 エンディングに向けて、JSCOというスーパーマーケットから空中に飛び出した女の子の目の前にオブジェクトたちが整然と並びそれぞれの意味が止揚させられようとしている。 まさに都市と田舎の挟間のファンタジーとよべる瞬間です。
展覧は映像作品のほかに映像から飛び出たような紙による彫刻、小さな色粘土、そしてラストシーンを投影したような壁紙で構成され、それぞれが交感関係にあり相互にリフレクションで照らしあうことが意図されています。 またヴューイングルームでは一転して静的な文字による展示とサウンドによる構成がなされ、ユニット活動ならではの重層性を感じ取れます。
作品は3DCGで描かれサウンドもテーマソングもすべてメンバーによって作られています。 ユニット名のSHINCHIKA(シンチカ)とは、大阪天王寺にある大阪新世界国際地下劇場から名づけられ猥雑で混沌としたエネルギーが持ち味のようです。2007-08制作「JSCO」
(6分)をどうぞお楽しみください。