南隆雄: 南隆雄
今回の個展は、映像作品を中心とするインスタレーションとして3つの作品で構成されます。それぞれコンピュータ、プロジェクター、監視カメラ、鏡などのツールを媒体として現実の断片がどのように仮想空間と交錯し、視覚的世界をつくることができるか可能性を探る実験的試みです。例えば映像作品は、近年南が旅をしたカンボジアやベトナムなど東南アジアの空間より取材し、いったんコンピュータにより手を加えた後にプロジェクターやマイクロカメラにより情報化され可視化されます。作品は映像やオブジェクトとしての機器を含む装置に南みずからが構成したサウンドが付加され、内在化された風景を表出させます。
3作品は相互に関係しあい全体を構成します。作家の言葉に倣えば取材した「場所を演奏」しているといえましょう。
現実、テクノロジー、時間が色とりどりにオーケストライズされた豊かな作品をどうぞご体感ください。