さわひらき: さわひらき
さわひらきは、これまでどこでもない情景やこの世にはありえない風景を映像の中に表現してきました。 これらは作家の住むアパートの廊下や浴槽にはられた水の表面、世界中に取材した風景などの現実を切り取り、また再構成することで風景を異化させようと試みてきました。
日本では4年ぶり3回目となる今回の個展では、ふたつの新作が発表されます。メインフロアのSiltsではこれまで映像の中に描かれるだけの空間が具体的な部屋として映像と並置されてギャラリーに展示されます。これは同時にこの仮想の部屋に棲む者のファンタジーが部屋の外に投影されているかのようです。ここでは現実と映像のファンタジーが等価なのです。小部屋に設置される
Out of the Blueでは対峙する2面スクリーンに砂漠を歩く人や観覧車、鳥のいない鳥かごが映し出されます。ここでもふたつのスクリーンで立ち起こることが互いに無関心をよそおいその狭間に世界が存在します。