puppet study: 南隆雄

Overview


南はIAMAS(国際情報科学芸術アカデミー)を卒業後、「るさんちまん」などのユニット活動を経て、これまでに台北市立美術館「Mind as Passion」展、ハノイ・Goethe-Institutにおける個展「Flickers-New Media Art from Japan」展、インドネシア・バンドゥンにあるSelasar Sunaryo Art Spaceにて「The Loss of the Real」展などアジアを中心とする国内外で作品を発表してきました。
弊廊において3回目の個展となる本展では、あやつりをモチーフとしたpuppet studyシリーズの新作を発表いたします。これまでの個展で発表してきた、ブラインドの開閉に合わせて映像が変化するインスタレーション作品「puppet study#1」、監視カメラの動きに映像上のヤモリや蝿の動きが連関する「puppet study#2」にひきつづき、今回は映像同士の間で見られる干渉が特徴となる作品です。線画アニメーションの変化と人間のポーズのパターン、そしてアルコールランプの炎の動きがそれぞれ連鎖するさまを、映像作品によるヴァリエーションとして発表します。一見関係なさそうなイメージ同士の間に仕掛けられた動きの上でのつながりに、その主題を見てとることができるでしょう。南のpuppet studyシリーズへの取り組みへの背景には、現実感とそれを支える仕組みとの関係に対する興味があるといいます。一見するとあたりまえに存在している現象が、目にみえない構造に支えられたり関係したりしている、そのつながりへの関心です。それは舞台を例にとれば、舞台上での芝居と、それを支える裏側の舞台機構との関係になぞらえることができるかもしれません。puppet studyシリーズはその関係性を巧妙に入れ替えることで、現実感がいかようにも組み替え可能であることを示しているようでもあります。映像の持つ現実感と虚構性を、あやつりというキーワードでよみとく南の新作展をお楽しみください。

 
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