私は何でできていて、あなたはどうやって私の名前を知るの?: リナ・バネルジー

Overview

オオタファインアーツでは11月22日よりリナ・バネルジーの日本初個展を開催いたします。

リナ・バネルジーは1963年、コルコタ(インド)生まれ。幼少期に家族と共にイギリスへ、追ってアメリカへ移住し、現在はニューヨークをベースに、ヨコハマトリエンナーレ(2011年)、ギメ美術館での個展(2011年)など国際的に活動しています。

色鮮やかな鳥の羽、アメリカンバッファローの角のレプリカ、日本の蚊帳や古い薬瓶など、あらゆる文化圏からのファウンドオブジェクト、植民地時代の象徴的なモチーフに有機物/無機物を巧みに組み合わせた立体やインスタレーションをてがけ、あらゆる場所から来たオブジェクトを使ってより大きな物体を作ることで、オブジェクトが持つ本来の意味を変容させ、新しい視覚言語として機能させます。ドローイング作品においても、天地が反転し花粉と汚染物質が浮遊する空間に、人に似た生命体が四本の手を持ち舞い遊ぶ姿を描くなど、古代神話や異種混合の別世界を表すようですが、これらはあらゆるもののコラージュで成り立つこの地球を、自身のハイブリッドな文化背景からまなざし、西洋と東洋、現実と空想、自然と人工などの対概念の意味を解体し、その間には何があり、将来はどのように訪れるのかを問うているといえるでしょう。

本展覧会のための新作制作にあたり、バネルジーは、我々は誰かという根源的な問いと、デジタル時代におけるアイデンティティーの問題に、自然界を人間界の合わせ鏡として見ることで答えようと試みます。「雲が水の分子で構成されているように、私たちの人格も、社会において目に見える形になるまでに多層の蓄積が必要とされる。」私が誰であるのかは、何を選択し、自分をどう見せるのかで決定され、その選択をどのようにしているのか。さらにデジタル社会においては自身のアイデンティティーを自在に形作ることが可能なようにも見える。ディアスポラとして自身の出自に自覚的な彼女は、こうした今日の世界においては誰もが既に、例外なく多文化的でハイブリッドな存在であることを気づかせます。

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