タン・ディシンは、上海を拠点とする現代美術家で、主に絵画とパフォーマンス作品を発表しています。タンは「80後」という、比較的リベラルな発想を持っていると言われる1980年代生まれの作家であり、彼の作品の多くが中国社会や美術業界の制度の下で抑圧されている「身体」を扱っています。
タンのパフォーマンスは、他者との関係を模索しながらも、ときとして過激なものになります。2010年の作品《Act of God(不可抗力)》は、上海万博博覧会中に地下鉄の線路に飛び込み、その身体のうえを電車がすり抜けるまでの様子をビデオ撮影したもので、このことがニュースに取り上げられるなど、現代社会の在り方に対する作家のシニカルな表現と行き過ぎた不法行為の境界についての論争を呼び起こしました。彼のパフォーマンスは、中国の監視社会における身体のあり方を、自分や他人の身体を非日常的に使用し「ずらす」ことで表現しています。そしてそれは中国国内に限らず、美術界の構造や加速するグローバリゼーションの中で表面化してきている世界的な問題にも通じるものであると言えるでしょう。
また、タンのパフォーマンスが外向きに力強く社会や他者に向かっていく一方、彼の絵画は、自分自身の内面へと潜りこんでいくような内省的で静かな印象を与えます。もともと正統な西洋美術教育を受けた彼にとって、絵画とは彼自身の現実や個人的な感情を発端としながらも、それらの持つ複雑さを和らげ、物と物の純粋な関係性に落とし込んで描くものであると言います。彼が「自らの身体が忘れてしまった私の一部分を求めている」と述べているように、タンの絵画には、自らの限界を受け入れながらも、精神的な自由と解放をキャンバス上で模索する「非力な身体」が描かれています。
タンのパフォーマンスと絵画は、「身体」を軸として、お互いを補完しながら反射し合っています。ときに他者や社会など外側に向かって、またときに自分の感情や絵画表現のあり方など自身の純粋な内面を見つめて展開される両義性を持った彼の作品は、現代の様々な問題に対するタンのまなざしを表していると言えるでしょう。
タン・ディシン(唐狄鑫)は1982年中国杭州生まれ。上海で活動中のアーティスト。上海師範大学美術学院を2005年に卒業。主な個展に、「タン・ディシン」オオタファインアーツ東京(2018年)、「Tang Dixin: Dog Bark」オオタファインアーツシンガポール(2015年)など。主なグループ展に、「Mountain Sites: Views of Laoshan」四方当代美術館、南京(2016年)、「Turning Point: Contemporary Art In China Since 2000」上海民生現代美術館、上海(2016年)、「Jing Shen - The act of painting in contemporary China」PAC Museum of Contemporary Art、イタリア・ミラノ(2015年)、「Mr. Hungry」(Asia Contemporary Art Week (ACAW)、アメリカ・ニューヨーク(2015年)、「10th Gwangju Biennale - Burning Down the House」韓国・光州(2014年)、「Revel - Celebrating MoCA's 8 Years in Shanghai」MOCA上海、上海(2013年)、「ON | OFF China's Young Artists in Concept and Practice」ユーレンス現代美術館、北京(2013年)などに参加しています。
- Tang DixinSea of people, 2020Ink on paper40 x 55 cm
- Tang DixinCrowd, 2018Oil on canvas215 x 385 cm
- Tang DixinPile of people, 2018Oil on canvas215 x 140 cm
- Tang DixinHuman mountain , 2016-2018Oil on canvas150 x 150 cm
- Tang DixinBlowing White, 2016Oil on canvas150 x 200 cm
- Tang DixinThe Orc, 2015Oil on canvas150 x 150
- Tang DixinViolent Torso, 2015Oil on canvas200 x 200
- Tang DixinRemelting Combustion, 2014Oil on canvas180 x 130 cm
Fragment
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