Biography

グオリャン・タンは、半透明の布を支持体にし、水を多く含んだアクリル絵具を布に染み込ませて抽象画を制作しています。半透明の布から透けて見えるキャンバスの木枠は支持体に染み込んだ絵具と調和し、静寂で奥行きのある空間を感じさせます。初期作品では静物をモチーフとした具象画を描いており、近年の抽象画への変化は彼の「見ること」に対する意識の転換といえます。支持体に染み込み定着された色彩と筆致から想起させられる彼の身振りは絶え間なく変化していく未来を、背後に見える木枠は遠い過去を想起させます。多層的な彼の作品は鑑賞者に豊かな広がりと発見を与えるでしょう。

[グォリャン・タン]

1980年シンガポール生まれ、同国在住。

近年発表されたパブリックアート《A Folding Scene》(2023年、エスプラネード・コンコース[シンガポール])や《Arrive, Arrive》(2021年、ナショナル・ギャラリー・シンガポール)では、作品と空間との関係性に関心を寄せ、支持体の両面に色を施した「ペインタリー・スクリーン」を、自立する立体作品のようにスペース中央に配置する作品群を展開する。

主な個展に、「Soft Turnings」Ota Fine Arts Singapore、シンガポール(2021年)、「Play Dead」Space Cottonseed、シンガポール(2012年)、主なグループ展に、「Re-surfacing」STORAGE、バンコク(2023年)、「Object of Desire」Gerðarsafn Kópavogur Art Museum、アイスランド(2021年)、「A Different Way of (Thinking About) Painting?」Langgeng Art Foundation、ジョグジャカルタ(2017年)、「The Trouble With Painting Today」Pump House Gallery、ロンドン(2014年)など。

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