中国・北京を拠点とする拠点とするチェン・ウェイは、写真を主たる表現方法として用い、中国の80年代生まれの作家を代表する人物として2006年から作品を発表しています。チェンはスタジオでオブジェや建物の模型を制作し、それを写真におさめることにより、現実と非現実が混ざったような世界観を作り出してきました。安部公房やフランツ・カフカに影響を受けた寓話的な作品から始まり、ナイトクラブをモチーフにした作品、近年では都市風景をおさめた作品へとそのテーマは変化を遂げてきました。また近年は、LED掲示版を用いた立体作品の制作、展示にも同時に取り組んできました。中国の街角に溢れ、誰にも省みられることのないLED掲示版に着目したチェンは、詩的なメッセージと抽象的な色のパターンが踊る光の立体作品を作り上げました。これらの作品は商業広告に溢れた情報過多な中国社会の一面を示すとともに、現れては消える光は人々の儚い希望や夢を表しているようにも見えます。
[チェン・ウェイ]
1980年生まれ。
主な個展に、「Make Me Illusory” (Centre Pompidou x West Bund Museum Project)」West Bund Museum、上海、中国 (2021年)、「WHERE ARE YOU GOING TONIGHT」chi K11 art space, 広東省、中国(2018年)、「The Club」Centre for Contemporary Photography、メルボルン、オーストラリア(2017年)、「Chen Wei: In the Waves」Chi K11 Art Museum、上海、中国(2015年)、「Chen Wei: The Stars in the Night Sky are Innumerable」Australia China Art Foundation、シドニー、オーストラリア(2014年)、「漠然の索」ヨコハマ創造都市センター、横浜、神奈川(2011年)など。
主なグループ展に、「ON | OFF 2021: Carousel of Progress」He Art Museum、中国・上海 (2022年)、「Chinese Whispers: Recent Art from the Sigg & M+ Sigg Collections」Kunstmuseum Bern、スイス・ベルン(2016年)、「China 8, Works in Progress, Photography in China 2015」 Museum Folkwang、ドイツ・エッセン(2015年)など。
主な所蔵先にUllens Center for Contemporary Art(中国・北京)、Yuz Museum(中国・上海)、K11 Art Foundation(中国・香港)、M+(中国・香港)、金沢21世紀美術館(石川)など。
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