Cat’s Ashio Copper Mine - Light and Darkenss: Nobuaki Takekawa
オオタファインアーツでは、5年ぶりとなる竹川宣彰の個展を開催します。竹川は今展で、この数年取り上げてきた足尾銅山をテーマに、猫で戯画化した花札を描きます。竹川がたびたび作品に取り入れる猫たちは、境界や障害をすり抜けてどこでも自由に往来できる象徴的な存在と見ることができますが、人間の行いを私たち自身が客観的に見るときのフィルター的役割を担っているとも言えます。その猫たちの表情が愛らしく楽しい花札は、どこか少し私達の知る絵柄と違います。それはこれが、日本が植民統治していた朝鮮に持ち込み、大流行して現地で独自に発展した花札「花闘(ファトゥ)」だからです。老若男女が楽しめるゲームとして今でもポピュラーな花札は、日本が近代化と帝国主義に邁進した時代には、常にその前線で労働者とともにあるものでした。竹川は12点の花闘のペインティングのほか、1点の立体作品を発表します。