作家紹介

さわ ひらき

Hiraki Sawa

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さわひらきは、おびただしい数の模型の飛行機が部屋を飛び交う映像作品「dwelling」(2002年)で若手作家の登竜門であるEast International Awardを受賞するという鮮烈なデビューを飾りました。初期作品は、この飛行機が飛び交う作品と同じように室内で展開され、現実ではありえない出来事や風景がモノクロの映像に収められています。「spotter」では飛行機を観察する小さな人たちが台所のレンジ上に集まり機影を追い、「migration」では主人のいない家の中を人や馬、ラクダ、鳥たちが音も立てずにパレードのように振る舞います。
その後「murmuring」や「out of the blue」などの連動する2面の映像作品、また「going places sitting down」など3つの画面を構成した作品に発展し、作品が空間を取り込むようになります。
最近では、「silts」において建て込んだ実際の部屋と映像を並列して展示する試みがなされました。作り込まれた部屋が作品として取り込まれ、大写しにされたミクロな映像自体を示唆するメタフォアとして現れるなど、より構造が複雑になっていきます。また2009年には、3つの大画面と10つのモニター、および5つの回転スピーカーという構成で大空間を創出する映像作品「O」(オ―)を発表しました。映像が現実の空間と対峙し、また時には入れ子の構成となる冒険的な試みといえます。
さわの最近の目論見は、映像によって現実の展示空間にどのようなバイアスをかけることができ、どのような効果を得ることができるかを探究しているように見えます。映像空間と展示空間がどう関係を結ぶのかが大きなテーマの一つといえるでしょう。
石川県にて1977年に生まれ、さわひらきは美術を学び今日も勤めているUniversity College London, Slade School にて彫刻の美術学修士号の道へと進んだ。彼の映像作品と動画インスタレーションは、しばしば予期せぬ記憶と技巧の質感で戯れる室内の創造的空間を表しました。 ブリスベンのクイーンズランド・アートギャラリー での第6回アジア・パシフィック・トリエンナーレと、第17回シドニービエンナーレ (2010)、 成都ビエンナーレ2011、そしてthe Institute of Contemporary Arts Singapore と the Middle East Katara Cultural Village in Doha (2012)をツアーする "Encounter: The Royal Academy in Asia"、さらにはソウル大学校美術館 (2013)"で開かれたRe: Quest -- Japanese Contemporary Art Since the 1970's"などのグループ展にさわは参加しています。
彼の個展はNational Museum of Victoria, Melbourne (2006)、フランスのブザンソン美術館(2010)、そしてごく最近では資生堂ギャラリー (2012) にて開かれています。
さわひらき dwelling 2002年 ビデオ(モノクロ、ステレオサウンド) 9'20"